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3.薄膜抵抗器の特長と特性

3.1 薄膜チップ抵抗器の特性上の特長と当社の優位性

薄膜チップ抵抗器は、スパッタリング法などで均一の薄膜を形成するため、安定な電子の流れにより、
高精度で温度係数が小さく、経時ドリフトが少ない高精度用途に最適です。

モノリシック構造
抵抗膜での
スムーズな電子の流れ

電子の流れイメージ

当社では、さらに耐湿性向上のために、電極を薄膜技術を生かしたオリジナル構造としました。
この結果、当社のRGシリーズは、長期安定性で車載分野にも多く採用されています。

保護膜の二重構造・
無機保護膜
オリジナルの
耐湿性向上電極の採用

耐湿性向上電極のイメージ

3.2 薄膜チップ抵抗器の基本特性と厚膜チップ抵抗器の特性の違い

薄膜チップ抵抗器は、下表ように一般的な厚膜チップ抵抗器に比較して抵抗値許容差が低い、
抵抗温度係数が小さい、電流ノイズが低いなどの特徴を持っています。

項目 一般的な厚膜チップ抵抗器 当社薄膜チップ抵抗器
抵抗値許容差 ±0.5%,1%
(精密級)
±0.01%,0.05%,0.1%,0.5%
(超精密級)
抵抗温度係数 ±25ppm,±50ppm,100ppm
(高TCR)
±1ppm, 5ppm ,10ppm ,25ppm
(低TCR)
電流ノイズ おおよそ+10dBv以下
(高ノイズ)
おおよそー20dBv以下
(低ノイズ)

抵抗値許容差と抵抗温度係数

抵抗値許容差は室温における誤差を示し、抵抗温度係数はカテゴリー温度範囲における1℃当たりの抵抗値変化をppmで表しています。下図は、±10ppm, ±25ppmの変化をグラフに表しています。
抵抗温度係数は、仕様によってこの変化が異なりなります。また、抵抗値変化は、温度に対して一定方向の変化とならないことがあります。

抵抗値許容差と抵抗温度係数グラフ

<抵抗値許容差>

・単位は (%) ; 図では±0.1(%)を表現
・各許容差は記号で以下のように定義
 ± 0.01% : (L) ± 0.02% : (P)
 ± 0.05% : (W) ± 0.1% : (B)
 ± 0.5% : (D)

<抵抗温度係数:TCR>

・単位は(ppm/℃);図では±10 , 25
 (ppm/℃)を表現
・各温度係数は記号で以下のように書く
 ± 1ppm : (K) ± 2ppm : (L)
 ± 5ppm : (V) ± 10ppm : (N)
 ± 25ppm : (P) ± 50ppm : (Q)

3.3 薄膜チップ抵抗器の主要特性

定格電力

定格周囲温度で連続負荷できる電力の最大値で、抵抗器のサイズによって異なります。
また、放熱性に優れた長辺電極や幅広電極を採用した製品では、同一サイズで定格電力を大きく出来る為、
小型化や部品点数削減が可能です。

定格電圧

定格周囲温度で連続して印加できる直流または、交流電圧(実効値)の最大値で、以下の式で計算できます。

E=R×P

E:定格電圧(V)、R:定格抵抗値(Ω)、P:定格電力(W)
但し、この値が素子最高電圧を超える場合は、素子最高電圧が定格電圧です。

素子最高電圧

抵抗器に連続して印加できる直流電圧または、交流電圧(実効値)の最大値です。

カテゴリ温度範囲

設計上、抵抗器を連続的に使用できる周囲温度範囲。カテゴリ下限温度とカテゴリ上限温度によって規定します。

カテゴリ下限温度: 抵抗器を連続的に使用できる最低周囲温度
カテゴリ上限温度: 抵抗器を連続的に使用できる最高周囲温度
負荷軽減曲線にて直線的に電力ゼロまで低下した素子最高温度。

負荷軽減曲線

カテゴリ下限温度とカテゴリ上限温度との間の周囲温度における最大許容電力を示す曲線で、
製品シリーズによって異なります。

負荷軽減曲線

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